研究内容
ワクチン開発に資する液性免疫応答の基礎的理解を目指して
1918年のスペイン風邪や近年のCOVID-19などの重大なパンデミックを引き起こす感染症は、現代で人類が直面しうる最も大きな脅威ですが、有効な対策の一つは免疫記憶を利用したワクチン療法です。しかし現行ワクチンでは急速なゲノム変異を生じるウイルスに対して反応できる良質な免疫記憶を効果的に誘導・維持できておらず、新規ワクチン開発戦略が必要とされています。ワクチン療法は抗体、Bリンパ球を中心とする液性免疫記憶の成立を根幹としており、私たちはワクチン開発に資するB細胞の分化・活性化・維持機構の解明を目指した基礎研究をおこなっています。
B細胞の最も特徴的な性質は、1つ1つの細胞が異なる抗原センサー(=B細胞受容体)を持っており、したがってその分化・活性化動態も個々の細胞で異なる、ということです。さらにB細胞は、抗原と遭遇後、胚中心とよばれる微小環境でB細胞受容体の配列を変化させていきます。そのため、感染やワクチン接種で活性化される抗原特異的なB細胞をシングルセルレベルで解析すること、そしてそのB細胞受容体(=抗体)の性質を、単一B細胞由来のモノクローナル抗体を作って調べることが必要です。私たちは様々なアプローチで抗原特異的B細胞のシングルセル解析とモノクローナル抗体解析を行っています。
私たちの研究対象や研究手法について興味を持たれた方、一緒に研究したいという方がおられましたら是非お気軽にご連絡いただければ幸いです。

主な研究テーマ
- B細胞分化・活性化メカニズムの解明
- 胚中心におけるB細胞選択、抗体多様化のメカニズムの解明
- 液性免疫記憶の成立・維持機構の解明
- 感染、ワクチン接種によるヒトB細胞応答の解析





